農薬と化学肥料を一切使わない‟自然米”で全量を仕込む唯一の酒蔵で、「自然酒」という概念を確立しました。「穏」は旧来の銘柄「金寶」とは別に、18代目となる現当主・仁井田穏彦氏の名をとって1994(平成6)年にスタート。これと並んでもう一つ人気ブランド「にいだしぜんしゅ」がありますが、「穏」は白麹と軟水の湧水を使用、「にいだしぜんしゅ」は中硬水の井戸水と生酛で仕込むという、製法にも違いを設けています。酒質は米に由来する甘みをベースに酸をほどよく融和させ、ふくよかでやわらかな旨味を表現しています。 2011(平成23)年に創業300年を迎えましたが、同年に起きた東日本大震災の影響で福島県産酒は風評被害を被ることになりました。逆風が吹く中で酒蔵自身が発信していかなければいけないという考えから、月に一度酒蔵で各種イベントを行なうなど開かれた酒蔵をめざしています。蔵の周囲には自家田が広がり、もちろん自然米作りに精を出しています。規格に合わない酒米や酒粕などは、別途オリジナルの発酵食品、菓子などとして商品化。2025年には酒蔵のある金沢地区全体を自然米栽培の地にすることを目標に、「日本の田んぼを守る酒蔵になる」を使命にすえています。SDGs(持続可能な開発目標)に真っ向からとり組む酒蔵です。(松崎晴雄)
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穏の銘柄一覧
銘柄 |
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純米吟醸 冷やおろし精米歩合:60%、日本酒度:非公開、酸度:非公開、アルコール度:15~16% |
純米吟醸精米歩合:60%、日本酒度:非公開、酸度:非公開、アルコール度:15% |
純米吟醸 雄町原料米:雄町、精米歩合:60%、日本酒度:非公開、酸度:非公開、アルコール度:16% |
スパークリング精米歩合:80%、日本酒度:非公開、酸度:非公開、アルコール度:12% |
純米大吟醸原料米:山田錦、精米歩合:50%、日本酒度:非公開、酸度:非公開、アルコール度:15% |
穏の酒蔵情報
名称 | 仁井田本家 |
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特徴 | 仁井田本家のある郡山市田村町は、東北地方最大の前方後方墳が発見され、坂上田村麻呂が蝦夷追討のため守山城を築くなど、古来より栄えた土地だ。1711年(正徳元年)に仁井田本家が創業し、2011年の4月に300周年祭を大々的に開催する予定だったが、東日本大震災の被災により中止となった。そこで、次の400周年を見据えたビジョンを作成し、「仁井田本家の使命は日本の田んぼを守る酒蔵」と決めた。 自社田6町歩の栽培も含めて、使用米は自然栽培のみと潔い。純米酒率も100%だ。今の目標は、田村町金沢の田60町歩をすべて自然田にすること。自社田では有機肥料も使わず、稲藁・籾殻などを田んぼに返す無肥料自然栽培を実施している。 また、酒造りは醸造用乳酸無添加を徹底し、生酛と白麹使用による自然派酒母のみの仕込み。酒蔵のスタッフ全員が、発酵のプロフェッショナルになる、をモットーに、日本酒だけでなく、「こうじチョコ」や甘酒などノンアルコールの商品開発も行なう。毎月開催している酒蔵祭りで、販売し、多くのリピーターを獲得している。「また来たい蔵になろう」が合言葉だ。 |
酒蔵 イラスト |
(立川哲之氏撮影+加藤忠一氏描画) |
銘柄 | 金寶 穏 金寶自然酒 田村 にいだしぜんしゅ 番外自然酒 かをるやま |
HP | 酒蔵ホームページはこちら |
所在地 | 福島県郡山市田村町金沢高屋敷139 |
地図 |
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