昭和60年代から、杜氏制度の崩壊をいち早く危惧し、酒づくりのできる社員を育てるため、将来の杜氏候補を養成する「酒マイスター」制度を導入した。蔵元の柳達司さんは、業界の異端児と言われ、その歯に衣着せぬ物言いで恐れられている。「とにかく日本酒業界はダメだ。安い米を使い、自分で精米しない。そしてアルコールを添加して薄めたがる。液化仕込みなんて、酒粕出ないんだよ?三増酒の方がまだマシだ」と手厳しい。「だいたい紙パックがいけない!ロマネコンティに紙パックがあるか?!」普通酒にまで兵庫県吉川町(よかわちょう)の特AAA地区の山田錦をふんだんに使用し、炭濾過をせず1年以上寝かせている。その酒はコクと旨味がたっぷりで、日本酒らしいクセのある味わい。初心者は難しいと感じるかもしれないが、酒通には垂涎の酒である。
- 日本酒ランキング 89位
- 石川 日本酒ランキング 5位
菊姫のクチコミ・評価
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菊姫の酒蔵情報
名称 | 菊姫 |
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特徴 | 蔵元の柳達司社長に初めて会ったのは、20年前雑誌で「気鋭の蔵元ここにあり!」という連載をやっていたとき。そのタイトルを伝えると、「気鋭の蔵元って、俺以外に誰がいるんだ?」となかばご立腹。「とにかく今の日本酒業界はダメだ。安い米を使い、自分で精米しない。そしてアルコールを添加して薄めたがる。液化仕込みなんて、酒粕が出ないんだよ。三増酒の方がまだマシだ。こういう状況をおかしいと感じない感性がもはや狂っている」と、業界批判はとまらない。だから蔵の特徴は、現代の日本酒業界のやり方とは真逆だ。まず全量自家精米。米は山田錦の特AAA米にこだわる。炭素濾過を排除し、昭和50年代に山廃復活、麹は麹蓋での伝統製法だ。とくに日本酒本来の旨さは、山廃からくるものと信じ、かたくなに山廃仕込みを守っている。「山廃で仕込んだ酒は芳しく、濃醇で腰が強く、いくら水で薄めても酒の味がします」といい、酒母無しの酵母仕込み、高温糖化酒母、中温速醸酒母などの簡便な酒母造りは一切行なっていない。うっすらと黄色い酒本来の色と、しっかりとした味わいをご堪能あれ。(江口まゆみ) |
酒蔵 イラスト |
![]() (蔵元写真撮影+加藤忠一氏描画) |
銘柄 | 菊姫 |
HP | 酒蔵ホームページはこちら |
所在地 | 石川県白山市鶴来新町タ−8 |
地図 |
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