酒蔵は戦時中、新潟県北部・村上市周辺の14軒が合併し発足した。主力銘柄は「大洋盛」で他に「北翔」等のブランドもある。「無想」は東日本の有力な特約酒販店に向けた限定流通の銘柄である。 無限の想いを意味する「無想」に、「何のために酒を醸すのか」「人は酒に何を求めているのか」「どんな酒を造るべきなのか」、造り手が抱く原理の探求を酒銘に託し造り上げたシリーズで、通年販売の火入れした純米酒のほかは、純米酒のしぼりたてと純米吟醸酒を四季ごとに酒質の違いでリリースしている。 酒質は下越地区の特徴ともいえる、透明感のある淡麗辛口である。酒蔵敷地内には酒造用具や酒器等を展示するスペース「和水蔵(なごみくら)」があり、合併する前の各蔵が所有していた人形なども陳列されている。(松崎晴雄)