このイラストは雪じゃなくて、生酛づくりの菌がくっついていく様子だそうな。
琥珀色の、とろりとしたお酒。
飲むと旨味と苦味の混在した、古酒みたいな深い味がする。
自然の菌が、あーしてこーしてちょっとひねくれて、すいすい飲ませない手強さがある。
酒造のあるまちには祖父の家があり、春休みに帰省すると土筆(つくし)を取りに行くのが習慣だった。田んぼの畦にぞろっと伸びてる土筆を、ポキポキ折ってバケツに入れる。
爺ちゃん家の寒い土間で、土筆の袴と呼ばれる部分をちまちまとむく。鈍臭い私が、怒られずにやれる数少ないお手伝いだった。
土筆は天ぷらもおいしいけれど、バター炒めが好きだった。ミルクっぽい油にほろ苦い土筆の味が混ざって、いま思えば日本酒にも合う大人の味だったかもしれない。
土筆で日置桜を飲んだらおいしいだろうな……と想像しながら、春の間に8回は作る「春キャベツとしらすのペペロンチーノ」で飲みました。
これはこれで、なかなか。
寒い間に、お燗で飲んでもよさそうです。
特定名称
純米吟醸
原料米
雄町
酒の種類
生もと
テイスト
ボディ:重い+1 甘辛:普通