幻の瀧 （まぼろしのたき）

　仕事が早く終わったので、運動がてら一駅分歩いて帰る。最近、飲み過ぎで太ったため、せっせと歩いてたら前から気になってた角打ちのある酒屋の近くに来た。

　のぞくと老夫婦がいるだけで、空いている。

　……。
　週末だしな……。
　今週も仕事に家のことにがんばったよな……。

　気がつくとカウンターにもたれて、きずしと日本酒を頼んでしまっていた。

　隣の酒屋に置いてあるものを、数種類出してくれる。女将さんのおすすめで「幻の瀧　純米吟醸」。400円でたっぷり注いでくれる。

　あー。
　今週もがんばった私、に沁みるよく冷えた一口目。

　酸もあるけれど疲れた人にやさしい、丸みのある旨口のお酒で、味の濃いものもほしいなーと揚げシューマイをもらう。

　年配の女将さん一人で、作り置きの小鉢やちょっとした肴を出している、まったりとした角打ち。老夫婦のうち、旦那さんの方が先に帰ると愚痴祭りになる。

　「飲み屋が開いてへんやろ、毎日ご飯作らなあかんからかなんわ〜」

　……だそうですよ、飲み屋で晩ごはん済ませてた世間の皆さん！


　冬の終わりに亡くなった母が、出張でほぼいない父親が帰ってきてる時に「ご飯作るのめんどくさい」と、愚痴を言ってたのを思い出す。

　お酒の量が多いので、もう少し食べるものが欲しいな、と並んだ小鉢をのぞいたら懐かしい食べ物があった。

　ぜんまいと薄揚げを炊いたもの。

　鳥取の祖母と、それを引き継いだ母がよく作っていたけれど、娘には継がれなかった定番のおかず。

　だって、ぜんまいスーパーに無いねんもん。
　言い訳と共に食べる懐かしい味は、強烈に母を思い出させる。

　コロナの中、ほとんど会わずに亡くなったせいで、まだメールをしたらフツーに返事が来たり、電話したら出たりしそうな気がしている。

　女将さんに「久しぶりに食べました、懐かしい味がします」と思わず伝える。

　最近の人はぜんまいなんか炊かんからね、と少し嬉しげに答えてくれる。甘辛い、揚げの油と混ざった煮物と美味しいお酒で、懐かしい人を思い出す、週末のちょっと飲み。いい立ち寄り処を見つけてしまった。


　……そして、当初の目的であった「ダイエットのために一駅分歩く」消費カロリーを台無しにしたのでありました。

幻の瀧　純米大吟醸　精米50%
上立香は穏やかでラムネのような爽やか、大吟醸らしい味わいで柔らかな甘みとまろやかさがあり、後味はキレ比較的さっぱりとしたした味わい。淡麗系の味わいの印象。美味しいんだけど何か印象に残らない感じ。　#note69

2021.05.09 2014年「幻の瀧」の-5℃長期保存袋絞り。冒険した甲斐あり100点満点の保存状態。1/500本、大切に頂きます！吟香の中に、かすかに袋の香りまで感じる⁉︎…笑　一体どんな袋なのか気になる。今日のつまみは蕗三昧。

太刀魚の刺身と

うん！美味い

皇国晴酒造さん(なんて読むんでしょう？)の幻の瀧！
ラムネ！後味に辛味が残ります。
黒部と言えばダム！それぐらいしか思い浮かばない。
スイマセン。ラベルに書いてありました。ミクニハレでしたー

2021.4.4　祝100本目！　久々、純米吟醸、澄んでいてとてもおいしい。

皇国晴酒造 「幻の瀧　純米大吟醸」

男に例えるとー。

目鼻立ちの整ったマスクに、良い匂いを漂わせて歩いてる。押さえるところは押さえてる。俳優の誰々に似てる、などと言われるそこそこのイケメンだ。物腰の柔らかさや持ち前の礼儀正しさもあって、欧米の人にも模範的な日本人の男として、スムーズに食卓に受けいられるタイプだ。

しかし、いざ向き合って座ってみると…ちょいと口下手かな？ 何も仕掛けて来ない大人しい人だな。それともこれが彼のポリシーか？　個人的には、何かもう一つ彼の物語が見えてきたら、ぐっと色気が増すのにと思う。ちょっと損をしてる男だ。

2021/02/10 とやま方舟 富山駅店

幻の瀧 純米吟醸しぼりたて生 ★3.8
富山の新酒飲み比べセット
202102購入

新酒飲み比べセットの2本目。
富山県東部は黒部市のお酒。
黒部市は街中に多数の湧水があり、名水スポットとして知られています。

爽やかな香り、甘さ控えめなタッチからじんわりとくる米の旨味としっかりとした酸味でキレイに切れる。
イメージは林をさっぱりきれいな味わいにしたかのような。
そして水が柔らかいのか、ノドに引っかかる感じがなく、スルスルと飲める。

このお酒は単品で主張するものではなく、食事に寄り添うお酒です。
特別な味わいではありませんが、この柔らかくきれいな味わいはこのお酒特有のものだと思います。

2020.12.26 袋しぼりの2015.10月限定古酒。-5℃キープで実に上手く熟成出来た‼︎キレ良く雑味なし。本当は正月に開けたかったけれど、思い立ったら待ちきれず…　冷蔵庫にあった崎陽軒の焼売で一献