「篠峯」とは、この蔵に豊かな水の恵みをもたらしている名峰・葛城山の別名だ。古式ゆかしい代表銘柄「千代」とは、別のコンセプトを打ち立て、異なる酒米、酵母でさまざまな味わいを表現する「篠峯」を誕生させたのは、蔵元杜氏の堺哲也さん。そもそもは、ワインの醸造家を志していた人だ。 「篠峯」のリリースは、2000年。先んじて1995年には、自営田で栽培した山田錦だけを用いる「櫛羅(くじら)」銘柄でも特定名称酒に絞りこんだ酒造りを開始している。この二つの銘柄に共通しているのは、ワイン造りの経験から得た「良い原材料」の確保だ。 アミノ酸の少ない、雑味のない純米酒を醸す。そのためには良い米を使う。その必要から自ら田んぼにも入り、農業からの醸造業を手がける堺蔵元が目指してきたのは、「米の違いを酒の味の違いにする」米に応じた酒造りだ。異なる田んぼからの米、異なる酵母を用いる酒は、ブレンドをせずに単独のタンクで仕込まれる。多彩な個性の酒を繰り出す力量を持ちながら、さらに心がけているのは、「美味し過ぎない酒を造ること」だという。その逆説的な願いの底にあるのは「酒そのものに強烈な主張を持たせず、食と飲み手に寄り添うような酒でありたい」という信条だ。 現代の醸造技術と酵母をもってすれば、日本酒は、今後もいくらでも美味しくなっていく。けれども、酒だけが突出するのではなく、食中酒としての節度を保っていく。酒だけに接写していくのではなく、人が愉しむ食卓全体を俯瞰した上での酒造り。それが今後、どんな深化に向かうのか興味が尽きない。(藤田千恵子)
篠峯のクチコミ・評価
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日本酒 篠峯 Azur 山田錦 純米吟醸 無濾過生原酒 田圃ラベル 720ml 2024BY (千代酒造/奈良) しのみね アジュール 奈良の酒 関西の日本酒

















日本酒 辛口 秋の酒 篠峯 純米吟醸 雄町 秋色生酒 山廃仕込 無濾過生原酒 1800ml 2024BY (千代酒造/奈良)しのみね 奈良の酒 関西の日本酒




篠峯の銘柄一覧
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生もと 純米大吟醸 生原酒原料米:山田錦、精米歩合:50%、日本酒度:6、アルコール度:16% |
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大吟醸 赤磐雄町 超辛口原料米:赤磐雄町、精米歩合:50%、日本酒度:1.2、酸度:1.5、アルコール度:15% |
篠峯の酒蔵情報
名称 | 千代酒造 |
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特徴 | 従来は会社名と同じ「千代」を主力銘柄としていたが、蔵の西方に望む名峰・葛城山の別称である「篠峯」を採用し、特定名称酒の拡充をはかってきた。以前は「全国新酒鑑評会」において9年連続で金賞を受賞するなど吟醸造りに力を注いできたが、現在ではアルコールを添加するのは大吟醸の仕込2本だけで、あとはすべて純米造りとなっている。 また生酒の出荷が多いのも特筆すべきところで、ほどよく酸を効かせながら味ののった、ふくよかな風味の酒が特徴である。 葛城山の裾野にあたるなだらかな傾斜のある地区に蔵を構え、仕込み水もこの山の水系で、蔵の前には「山田錦」を栽培する自家田もある。他にも周囲の櫛羅(くじら)地区に全部で約50枚の田んぼを有しており、自社栽培米は使用する米全量の約1割にあたる。この地名を銘柄に据え、ここで穫れた米を原料にした純米酒「櫛羅」も出荷している。(松崎晴雄) |
銘柄 | 千代 篠峯 櫛羅 千代大和 |
HP | 酒蔵ホームページはこちら |
所在地 | 奈良県御所市大字櫛羅621 |
地図 |
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