「農口尚彦の旅その4・農口研」
農口尚彦研究所『純米酒』・無濾過・生原酒・五百万石・精米歩合60%・18度・微々炭酸
▼伝説の杜氏・農口尚彦氏の軌跡を追う旅シリーズもいよいよ終着駅。農口酒造を退職した後、農口さんは84歳で「もう引退はあきらめた」との名言と共に『農口尚彦研究所』の杜氏として再々?復活を果たし、87歳の現在に至る。今現在、杜氏農口尚彦が醸したと言えるお酒はこの「の」印ぐるぐるだけ。僕にとってはバレンタインの「とても美味しいただの日本酒」からの念願の再戦でもある ▼それにしても素晴らしきかな農口さんの生涯現役。決して早く引退「できる」とか、年金を「多くもらう」なんて全然勝ち組ではないのだ。でもその農口さんが実は下戸だったなんて、事実は小説より奇なりとはよく言ったもんだ…
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▽滑らかで、杯に口をつけるとフレッシュな含み香と一緒に、なんやら口と喉の「上の方」を伝わって喉に滑り落ちていく感覚に何か特別なものがある。穏やかでふわーとした吟香はなんの果物でしょうか、すごく好きなタイプなんだけど言葉が出てこないけど洋梨系かなぁ
▽良い香水のように出会いから去った後までのドラマがあるというか、表情が変わる面白さがある。余韻がすごく残るので、喉を通した後もしばらくそれを追うのが楽しい
▽農口さんが今の時代に向き合うために目指しているという「米の旨味を感じ、美しい余韻とともに消えていく、キレの良い日本酒」。そういうことなんでしょうなこれは。。