創業190年以上の歴史をもつ大村屋酒造場が誇る大吟醸銘柄「おんな泣かせ」。寒冷期に造った酒を低温貯蔵し、通常の大吟醸酒より少し早い秋頃に販売されるので、自家熟成して楽しむこともできる。大村屋酒造場は、1832年に初代・重兵衛が静岡県島田市にて創業し、大井神社の隣に蔵をかまえる酒蔵。現在は7代目当主の松永孝廣氏がその歴史を引き継ぎ、酒造りをリードするのは南部杜氏の日比野哲氏だ。日比野氏は静岡大学大学院農学研究科を卒業という異色の経歴をもち、当時の社長に直談判して蔵入りしたそう。仕込みでは雑味がなくきれいな酒質に仕上げるため、あえて櫂入れ作業を行わないという。年に1回だけ限定出荷される「おんな泣かせ 純米大吟醸」は、上品な香りとやさしい旨みが特徴。心地よく残る余韻が料理の旨みをさらに引き立てるので、食中酒としてもおすすめだ。