1865年に創業し、長野県大町市に蔵をかまえる市野屋商店の銘酒「市野屋」。創業以来、長く愛されてきた銘柄だ。杜氏と蔵人の感性による唯一無二の酒造りをモットーに、現在もすべての工程を手造りで丁寧に醸す。仕込みには北アルプス連峰からの雪解け水を使い、地元産や長野県産の「美山錦」「ひとごこち」などの酒造好適米を原料米とする。杜氏をつとめるのは、大塚真帆氏。京大農学研究科修士課程を修了後、京都伏見の招德酒造で経験を積んだ後、2022年に市野屋に入社した。大塚氏がめざすのは、「自然のおかわりしたくなるような酒」だ。「市野屋 生酛純米吟醸原酒 ひとごごち」は、大町市産の「ひとごこち」を使って醸したバナナのような香りが特徴の1本。甘味、酸味、渋味のバランスがよく、淡白な魚料理とあわせるのがおすすめだ。