つげのひむろ (都祁氷室)のクチコミ・評価

  • ばんない

    ばんない

    5.0

    つげのひむろ 純米酒 菩提酛
    2021.02製造

    【菩提友】
    ネズミさんとの共同企画第…何弾だ??笑笑

    菩提とは
    →「煩悩 (ぼんのう) を断ち切って悟りの境地に達すること」

    今日の共同企画のお酒はネズミさんも同じ銘柄を飲まれます。その一本とは…

    「つげのひむろ 菩提酛仕込み」

    菩提酛とは…

    【正暦寺と日本酒の関係】
    平安時代初期は朝廷が酒造司(みきのつかさ)などの部署で酒造りを行っていましたが、その後、鎮守や仏へ献上する御酒として寺院が自家醸造を始めます。やがて大寺院では利潤を目的として酒造りを行い、その酒は僧坊酒(そうぼうしゅ)と呼ばれました。
    正暦寺は大量の僧坊酒を造る筆頭格で、現代の生酛造りの元になったといわれる「菩提酛造り」や麹米・掛米とも精白米を使う「諸白(もろはく)」、3回に分けて酒母を仕込む「段仕込み」、火入れによる殺菌などの醸造技術を確立します。
    室町時代に書かれた酒造技術書とされる「御酒之日記(ごしゅのにっき)」には、正暦寺で造られた酒「菩提泉(ぼだいせん)」の製法が記されています。このことから、境内に「日本清酒発祥之地」の石碑が建てられています。

    そんな日本酒の起源である菩提酛は、時代の移りかわりのなかで速醸酛の普及により大正時代にそれ消滅したようです。しかし、1996年、有志一同にて菩提酛の復活計画が進められ、現代に甦ったという経緯があります。

    現代に甦り「正暦寺乳酸菌」をもと伝統の技でつくられた「つげのひむろ 菩提酛 純米酒」

    時代の変遷の中で、昔と変わることのない人々の想いと技で生まれたお酒は、いったいどのような世界を教えてくれるのか。煩悩を断ち切り、悟りの境地に達することができるのか笑

    【スペック】
    ○使用米
    ひのひかり
    ○精米歩合
    70%
    ○アルコール度数
    15度
    ○製法
    菩提酛造り

    【味わい】JOU基準
    ○香り
    柔らかな乳酸菌系の香り。
    ○含み
    やわらかな口あたり。甘酸味がじゅんわりと染み出す。
    ○中盤
    コクがすごい。お米の旨味や酸味、苦味、甘味、乳酸菌…ものすごく情報量が多く複雑
    ○余韻
    ノドを通すとミルキーな酸味と苦味。余韻は響くように長い。

    【甘辛】
    中間

    【燗】
    人肌あたりが好み。口あたりはさらにやわらかに、味わいはまろやかに。このお酒のいいところをさらに引き出してくれています。苦酸味がJOUでは強いですが、燗では甘、酸、苦みのバランスが素晴らしく際立ちます。JOUよりKANが好みです。

    ★総評
    やさしい…。ポツリと一言。口あたりから余韻まですべての瞬間で包み込むようなやさしい味わいでした。クセが強いことを覚悟していましたが私的にはそこまで感じませんでした笑。
    今私は「500年の時と人の想い」を飲んでいる…そう思うと室町時代の味わいが目の前にあるということにロマン、夢を感じました。

    アテは白ごはんとネズミさんから同梱の品の奈良漬け。ハッキリ言って相性抜群でした。奈良漬けと白ご飯からのつげのひむろ…奈良漬けの甘旨味と特有の余韻をお酒の苦酸味がスッと浄化…次の一口に誘導する…何という憎らしい関係や!バリバリ白ご飯と奈良漬けがすすみますね!それに鍋島オレンジラベルが餡の隠し味である自家製棒餃子との相性も最強!


    日本清酒の原点という日本酒を飲む中で基準ともなるお酒を飲めたこと、今回の素晴らしい体験を提供していただいたネズミさんに感謝をし、私の「つげのひむろ」のレビューを締めたいと思います。

    ネズミさん、今回もありがとうございました。

    今宵も先人に想いを馳せ、素晴らしい日本酒ライフを。

    特定名称 純米

    原料米 ひのひかり

    テイスト ボディ:普通 甘辛:普通

    2021年5月1日