- 
          2021 4/18  しろこさん しろこさん満足度 4.0 「山中酒の店」でディスペンサーでの量り売りがはじまったと聞いて、出かけていく。 
 
 「磐城壽 甦る」
 http://www.iw-kotobuki.co.jp/
 
 福島県浪江町から避難した方が、別の酒造で酒造りをして出した商品と聞いて、少し気持ちを引き締めて飲む。
 
 
 その引き締めた気持ちを、ふっとほぐす口当たり。
 軽やかで柔らかい。
 荒れた野に、ふわふわとした黄緑の新芽が育ってくるような。
 
 
 震災の半年後に、被災地で仕事があった。
 
 仕事が終わった後、タクシーの運転手に「行けるところまで行ってください」とお願いして被災地を解説付きで回った。家の基礎しか残ってない、空っぽの町に家族が帰ってくることを期待した張り紙や、書き残しがあった。
 
 
 壁が波でさらわれたアパートには、きれいに中が片付けられた部屋と、当時のままの部屋が並んでいた。
 
 冷蔵庫に残る海苔の佃煮のびん、ぐちゃぐちゃの布団、携帯の請求書。
 海水に侵され、引いた後の砂にまみれた「暮らし」がそこにはあった。
 
 
 そこからでも、甦る。
 いや、それは安全な場所からの詭弁に過ぎないな。
 
 震災の後に、映画『千と千尋の神隠し』の主題歌を聴いて震えたことがあった。
 
 
 ♪生きている不思議 死んでいく不思議
 花も風も街もみんな同じ♪
 
 ♪海の彼方には もう探さない
 輝くものは いつもここに
 私の中に 見つけられたから♪
 
 
 失ったものを胸に、自分の人生や商品を輝かせようと諦めず、こうして美味しいお酒を作ってくれる人達がいる。
 
 それを届けようと、ディスペンサーに置いて届けてくれる酒屋がある。
 
 「再生」のリレーの終着点で酔っぱらうことしかできず、申し訳ない気がしたので、文章にしてみました。
 
 特定名称 特別純米 酒の種類 生酒 テイスト ボディ:軽い+1 甘辛:普通   磐城壽 (福島 / 鈴木酒造店)
磐城壽が購入できる通販
 
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
      
     
          
 いいね 34
        いいね 34       ブックマーク
        ブックマーク
       Comment        0
        Comment        0      