somewordstodayさん(2020年6月24日)の日本酒「富久寿」レビュー

富久壽 純米酒 奈切千軒濱八軒
地元民でない限り知る人はほとんどいないのでは…瀬戸内の小さな町、櫛ヶ浜にある冨永酒造さんのお酒。現在自醸は辞められており、「防長鶴」の山縣本店さんに委託されています。地元酒を制覇したく実家の両親に頼んで入手！
ふわり優しく香るメロンな果実感、水のように流れるクセのない飲み口。軽やかな旨みに酸味もほどよく、余韻にはスキッとした苦味が残る爽やかさ。今時のお酒のような派手な個性はありませんが、素朴で潔い旨さを感じました。
かつて秀吉の造船所で栄えた櫛ヶ浜には、日本初のサルベージを成し遂げた村井喜右衛門の酒蔵もありましたが、今やそのお酒を飲むことは叶いません。このコロナ堝、歴史やドラマを伝える日本酒文化の灯火をひとつでも絶やしたくないと思わせてくれるお酒でした。